最高裁判所第三小法廷 平成元年(行ツ)162号 判決 1993年5月28日
上告人
関英夫
右訴訟代理人弁護士
黒澤辰三
被上告人
芝税務署長
菊池衛
右指定代理人
加藤正一
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人黒澤辰三の上告理由について
所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯するに足り、右事実関係の下においては、本件再更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分に違法はないとした原審の判断は、相続税法五五条本文にいう「相続分」には共同相続人間の譲渡に係る相続分が含まれるとした点を含め、正当として是認することができる。原判決に所論の違法はない。所論違憲の主張は、原審の認定しない事実を前提とするものであって、失当である。論旨は、独自の見解に立って原判決を論難するものにすぎず、採用することができない。
よって、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官可部恒雄 裁判官貞家克己 裁判官園部逸夫 裁判官佐藤庄市郎)